大学に入ると課題だの発表だのでデジタルな資料を作らねばならない機会がたくさんあります。そんな学生のために大学や企業が便利で安価なサービスを様々に提供しているのですが、そういったものを体系的に学ぶ機会は何故かそんなにありません。そこで今回は大学に入ったらまず揃えるべきツールを簡単にまとめます。

  • リッチな文書編集ツール
  • 互換性の高い文献管理ツール
  • 大容量のドライブ
  • 会議ツール

一見贅沢に見えますが、この類のツールやサービスは大学が契約していることが多いです。残念ながら学費は従量課金制ではありませんので、使えるものは積極的に使っていきましょう。

目次

リッチな文書編集ツール

レポート課題、発表レジュメ、会議の議事録、学会参加の報告書などなど。大学において1体裁の整った綺麗な文書の作成を求められる機会は多くあります。手で書いてもいいわけですが、たくさん課題が出されるなかでその全てを構想から清書まで原稿用紙に向かって行うのはかなり大変であまり現実的ではありませんよね。

そんなときに役立つのが文書編集ツールです。具体的には以下のような機能があると便利です。ソフトを選ぶときはこれらの機能が入っているものを選びましょう!

  • 脚注の挿入
  • 引用文献の管理
  • 図表番号の管理
  • 本文レベルの管理
  • ハイパーリンクの挿入
  • タブの整理

ソフトとしては以下のようなものがあります。やはりMicrosoft Wordが有名ですが理系の学生さんならLatexもよく聞くと思います。ご自身の分野や大学の契約状況などを確認してご自身にあったものを選んでください。

  • MS Word, Publisher
  • Latex
  • Google Document

Latexは基本的に無料ですし、MS Wordもほとんどの大学で契約していますから、すぐに利用できます。大切なのはちゃんと使いこなすことです。じゃんじゃん使って上に書いた機能などをしっかり使えるようになりましょう!

互換性の高い文献管理ツール

続いてもレポート作成に便利なツールです。レポートや論文で他稿の情報や主張を引用するときには出典を適切な方法で明示する必要があります。「…と指摘している(Tanaka, 2021)。」のように書いて、参考文献に書誌情報や取得リンクなどをまとめるアレです。こちらも手で書いてもいいんですけど、間違いが起きますし、何度も何度も引用するような文献の書誌情報をその度に調べるのも手間です。

そんなときに便利なのが文献管理ツールです。書誌情報を登録しておいていつでも参照できます。また更に以下のような機能があると便利です。

  • 文献検索サイトから書誌情報を読み込む機能
  • グループで文献情報を共有する機能
  • 本文データを紐付ける機能
  • フォルダ分けやタグ付けなど高度な整理機能

ソフトとしては以下の3つが有名です。大学の契約状況や普段使っている文書編集ツールとの相性などを考えて選びましょう。

  • Mendeley
  • EndNote
  • Zotero

個人的にはMendeleyが最推しです。単に文献情報を管理するだけでなく、本文データをドライブにアップロードして、ハイライトを引いたり、コメントを挿入したりすることができますし、MS Wordとの相性もバツグンです。

大容量のドライブ

デジタル資料を作ると今度はそれを誰かに共有したり、どこかで公開したりする必要がでてきます。逐一ファイルをメールで送信すればいいではないかと思われるかも知れませんが、それでは変更の度にファイルを送信する必要がありますし、共同作業を行うこともかなり難しいものです。また個人で作業するときもドライブにファイルを置いておけばどんなデバイスからでも必要なファイルにアクセスできますし、バージョン履歴の管理も簡便です。

そんなときに必要なものが大容量のドライブです。多くのサービスにおいて無料版である程度のストレージを得ることができます。大学の契約状況やこれまでのソフトとの互換性を考慮して選択しましょう。

  • One Drive
  • Google Drive
  • Drop box
  • iCloud Drive

せっかく大学が大容量のドライブを契約しているのに、それに気付かず自分でお金を払って他のサービスを使っているというケースを結構目にします。契約状況はしっかり確認して余計な出費が生まれないようにしましょう。

会議ツール

コロナ禍ですっかり浸透したオンライン会議。学生の間でもサークルの会議や自主ゼミなどで使う機会が多いです。

オンライン会議ができればとりあえず文句はないのですが、更にあると便利な機能としては以下のようなものがあげられます。

  • ブレイクアウトルーム機能
  • ウェビナー機能
  • ホワイトボードなどの共同編集機能
  • 録画機能
  • 字幕生成

ツールとしては以下の4つが有名です。こちらも所属する大学の契約状況などを確認して選びましょう!有料のサービスを使うときも学生なら割引や課金サービスの利用など特典があることが多いのでしっかり確認するようにしましょう。

  • Zoom
  • MS Teams
  • Google Meet
  • Cisco Webex Meetings

少し前まではZoomがコロナ禍の学生支援として無制限の時間の会議を学生に開放していたので学生の間ではすっかりZoomが浸透した印象ですが、Zoom以外にも色んなツールがあります、値段設定や目的などに合わせて適切なツールを使うようにしましょう。

終わりに

はじめにも書きましたが、今回紹介したような「大学生活に必要なIT知識」を教わる機会というのは意外とありません。レポートの書き方やスライドの作り方などを教わる機会は幸い段々と充実してきているのですが、そのような適切な書き方・作り方を知っても、それをパソコンによってどのように達成するかを具体的に学ぶ機会は少ないです。

要は背中を見て学べってことなんだと思いますが、昨今の情報技術の進歩を早み、そもそも先生・先輩がそのような技術を知らないということもありえます。そこで自分で調べて色々試してみるということが重要になります。幸い有名なサービスであればほとんどの場合丁寧なマニュアルが公開されていますし、利用者が使い方のコツみたいなものを紹介している場合もあります。またChatGPTのような汎用チャットボットも心強いです。「なんだか、この作業面倒くさいな、もっと良い方法ないかな?」と感じたら、先生から教わらなかったからいいや、先輩も使ってなかったからいいやではなく、是非自分で調べていろいろ試してみてください。